文:団野 和貴
お米と俺の物語
「俺」って違和感がある。普段「僕」しか使わないし。なんとなく「俺」って使ったらかっこよく見えるかなって…。そんな「僕」とお米の物語。
昔は、お米には特に何の感情も持ってなかった。
むしろ、一時拒絶したことがある。
自分が太ることを気にして、食べない時期があった。主食がないなんて日があったなあ。おかげで体重も全く変わらない。俺はそのときハッピーだったけど、君はどう感じていただろう。
一転して、大学生になってからは毎日のように食べている。
なぜもう一度食べ始めたのかって? それは単純。大学入って筋トレしていて、太った方が筋肉がつきやすいって言われた、それだけ。おかげで、この1年で体重が10kg増えた。
君はおいしい。君を食べるのが実に久しぶりで、そう感じたのを覚えている。
いまだに家で食べる君はまずい。その理由は分かっている。炊飯器が壊れているからだ。でも、よそで食べる君はそんなことない。僕は、ちょっとしたことで変わってしまう君に魅力を感じている。
変わってしまうといえば、君は一緒にいる「誰か」によっても味が変わってしまう。例えば、海苔とか醤油とか卵とか。僕は、誰かといる君は嫌だ。誰かとセットの魅力を感じるのではなく、君自身の魅力を感じたい。
冗談はこれぐらいにするとしても、僕がお米に興味を抱いているのは事実。炊きかたひとつで、一緒に口に入れるおかずひとつで、味が変わってしまうお米。いろんなお米を知れて僕は今ハッピーだけど、お米はいったい何を感じているだろう。
ここまで読んでくださったあなたには、お米とどんな物語があるのかな。またあなたの話も聞かせてね。