文責:小西 美柚
世界中、人が集まり、そこにお酒があれば、乾杯の音頭がとられる
日本に日本酒や焼酎があるように、世界ところどころ、その土地ならではのお酒は違って
も、乾杯の習慣は世界共通と言ってもいい。
人が集まり、そこにお酒があれば、乾杯の音頭がとられ、それを合図に場がだんだん出来上がっていく。グラスを交わしたことをきっかけに始まる会話や出会いもある。
ところで、私が生まれ育った京都市、そして大学進学をきっかけに移り住んだ神戸市には、日本酒で乾杯条例なるものがある。
このように、乾杯の瞬間にその土地ならではのお酒があれば、そこならではの乾杯を楽しむことができ、また一味違ったものになるのではないか。
今まで、日本酒の独特な風味などから、留学中に出会った現地学生や日本に来ている留学生たちと日本酒を飲むということにハードルがあったが、彼らと日本酒で乾杯したり、日本酒でもてなしたりできればよりよい時間を楽しめるのではないか。
ここではそんな経験も踏まえて、日本に来た留学生と乾杯を楽しむときにぴったりの日本酒、そして乾杯のあとに会話を楽しみながら食べたい料理を探していきたい。
シーン別日本酒と料理
〇お祝いの場なら スパークリング日本酒で乾杯!
シャンパン感覚で、華やかな気持ちとともに楽しんでほしい。
一緒に楽しみたい料理
タコとパプリカのマリネ
材料:ボイルタコ、パプリカ、トマト、酢、オリーブオイル、塩、こしょう
〇暑い夏には きりっと冷やした淡麗辛口酒で乾杯!
さっぱり冷酒で日本酒の飲みやすさを感じてもらいたい。手軽で食欲も増進する料理で夏
バテも解消したい。
一緒に楽しみたい料理
スティック野菜 with 酒粕みそ
材料:お好みの野菜(キュウリ、ニンジン、セロリなど)味噌(赤味噌でも、甘めなら
白味噌でも)、酒粕、みりんか日本酒
中華風蒸し鶏
材料:鶏むね肉、ネギ、ごま油、酢、塩、こしょう(お好みでラー油)
〇まだまだ寒い冬には 燗酒で乾杯!
本醸造酒といった香りが高くまろやかな日本酒をお燗で楽しみたい。徳利を使いお猪口を交わすのも醍醐味である。ツナのだしがきいたさっぱりしたみぞれ鍋で相性も抜群。
一緒に楽しみたい料理
白菜とツナのみぞれ鍋
材料:白菜、ツナ、おろし大根、昆布だし、日本酒、ポン酢
みんなで日本酒をもっと楽しむために
〇和らぎ水のススメ
ウィスキーなどを飲む際にチェイサーがあるように、日本酒にも和らぎ水というものがあ
る。間に和らぎ水を飲むことで、酔いの速度が緩やかになり、お口直しにもなるので料理
もより楽しむことができる。
〇燗酒のススメ
燗酒にも温度によるいくつかの段階があるが、様々な人肌程度の温かさ(35度前後)では体内のアルコール吸収が早めになり、酔いも比較的早く感じられることで飲酒量を適度にすることができる。
お酒を温めて飲むのは日本酒ならではの楽しみ方であるが、適量飲酒にもおすすめの飲み方であり、一石二鳥だ。
お酒を温めて飲むのは日本酒ならではの楽しみ方であるが、適量飲酒にもおすすめの飲み方であり、一石二鳥だ。
日本盛様よりコメント
日本料理には日本酒が合うのは定番ですが、私たちが想像つかない海外の現地料理はたくさんあるかと思います。
この料理にはこの日本酒(味、飲み方、温度など)をこれからも多く見つけ出して、日本酒を使ったコミュニケーションを広げてほしいです。
終わりに
私自身も普段は日本酒を飲むにしてもビールの後などに飲むことがほとんどで、最初の一杯を日本酒で、ということにはどこか抵抗があったが、日本酒を初めて飲む人でも乾杯を日本酒で楽しめる工夫をいくつか紹介した。
ぜひ、日本酒での乾杯をきっかけに、身近にいる日本酒にまだなじみのない人たちをもてなしたりその場を楽しめたら、と思う。