私が日本酒を飲むとき、そこにはいつも誰かがいる。

文:小西 美柚

留学先のオランダで、日本酒と手料理を囲んだあの日。

私が日本酒を飲むとき、そこにはいつも誰かがいる。
まだまだ一人でカップ酒なんて勇気はなく、徳利で日本酒を注ぎ合い、みんなでわいわい、時にはしっぽり飲むのが一番楽しい。
グラスの下の枡にあふれんばかりに日本酒が注がれるのをみんなで見るのも一種のエンターテイメントのようなわくわく感がある。

さて、私がオランダに留学していた時、同じ大学に留学に来ていた日本人留学生の一人が、彼イチオシのおいしい日本酒を手に入れたとのことで、お酒好きの日本人留学生が何人か集まり、各自手料理を持ち込んで異国の地で貴重な日本酒をしっぽりと楽しんだことがある。
好きな日本酒の話、焼酎や地ビールも交えての地元のお酒の話、などなど、みんなが日本酒に合うようにと作ってきた料理とおいしい日本酒で話が弾む。
初夏の夜、開け放った窓から入ってきたすがすがしいオランダの風と共に、迫り来る帰国に寂しさも感じながら飲む日本酒は、これまでになく深みがあり、それでいてまるで「立つ鳥跡を濁さず」を思い出させるかのようにすっきりとした味わいであった。

今これを振り返って、「最高の日本酒」というものを考えてみると、一緒に飲む仲間の好みに合うものや、新たなお酒を楽しむということで、好みを踏まえて開拓したまた異なる種類のものがあてはまるのではないか。
また、そのような日本酒に巡り合うために、日本酒についてもっと知れたらいいなと思うし、この時のように日本酒に合う料理についてもぜひ知っておきたい。
そして、日本酒の独特さからなかなか他の国の学生の友人たちに声をかけづらかったという経緯がその時にあったので、国の垣根を越えて様々な人たちと楽しめる「最高の日本酒」についてもぜひ考えてみたい。