ダブルインコメに恋します。

文:大西康平

目の前の全てが闇に包まれた。
何がダメだったのだろう。
これかな、あれかな、延々とそればかり考える。
本気で食事が喉を通らない。
このままでは死んでしまう、というような日が続いて命の危機を感じた。

振られた。

その日からその子に向かっていたものを自分に向かわせようとした。
時間はかかったけど気が付いた。
自分は狭い世界しか見えていなかった。
そういえばこの2年研究ばかりして研究のことしか考えていない。
世の中ではいろんなことが起こっているし、数年前までは考えられなかったような職業があったり、またITの発展によって世界が大きく変わろうとしている。

そんな中で自分は一体何をしているのか、自分とはなんぞや。

それからその子のことを考える時間が自分のことを考える時間になった。
そうだテニスを始めよう、自転車で日本一周もしよう!
そのためには筋肉だ!筋トレだ!
ITについて勉強してみよう。
ショートトークイベントに参加してみよう「般若心経について」。
様々なことに目を向けた。
これまで全く目にも止めなかったものも見るように。

学校のポータルサイトを覗くようになり、とりあえずお知らせを片っ端から見て、イベントやボランティア活動などを探してみた。
何個か見たけどだるそう、めんどくさそう。

そう思っていた時、その中にダブルインコメというイベントの募集があった。
とりあえず見た。
米についてのイベント、米好き!
Webメディア? なんかわからんけどWeb関係! えっ、コメくれるの!?
よしやってみよう。

これがダブルインコメとの恋の始まりでした。
失恋がダブルインコメに参加させてくれた。
振ってくれてありがとう。
この機会に嫌な失恋の記憶を書き出して吐き出したことで、引きずったままの気持ちを断ち切ることができた気がします。